授かりし命をつなぐ道

紫微斗数鑑定をしながら、ヲシテ文献や大自然の法則について研究しています

夫婦関係の見方①

 

自身の夫婦関係、もしくは親の夫婦関係、恋人との関係、そして離婚や死別。または、性自認に関すること等々。結婚するしないは別にして、一度もこれらの問題で悩んだり躓いたりしたことがないという人は少ないと思います。


人類の歴史を辿っていくと(「ホツマツタヱ」)、「アメナルミチハ メ(女)モアラズ」と記述されている通り、元々は一夫一妻制ではありませんでした。もちろん、子どもを産むのは女性ですから、女性が存在しなかったわけではなく今の言葉で説明すると、「群婚」「多夫多妻制」というとよいでしょうか。特定の男女のパートナーを決めない形ですね。まだまだ人口も少ないため強い規則や枠組みが必要なかったことと、また木の実の採取によって食糧を得ていた時代ですから、移動が多く、ずっと同じ人と住む必要もなかったのでしょう。

時代は進み、ひな祭りの起源にもなる三代天神のウビチニ・スビチニの頃に、一夫一妻制になります。ひな祭りは現在、女の子の祭りとして認識されていますが元々は「トツギノリ=結婚式」のことを指しました。時代は縄文晩期、ちょうど稲作が全国に普及していくころでもありました。一連の農作業を協力して行っていく必要があったために婚姻関係を結び、さらにそこに子どもや親が加わった「家族」が人間が生活する上での最小単位になります。また稲作によって定住が可能になりましたから、パートナーをその時々で変えるよりも、正式に婚姻関係を結んで一緒に生活をする方が合理的でもあります。

私達は、「夫婦」というと婚姻関係を結んで共に生活をするパートナーのことを想像しますが、一対一の婚姻関係を結ぶ人類の歴史はむしろそんなに長くはないということ前提でお読み頂ければと思います。



前回のブログ

sanetaka.hatenablog.com

では、人によってものさしが違うため、ものさしが違う者同士が同じ屋根の下に住むことは、親子でも兄弟でも、夫婦であっても難しいということを書きました。「婚姻制度」を採るようになってから、家族で協力できる点は良いのですが、家庭内の人間関係を円滑に回していくことは、どの時代においても至難の技であったはずです。

紫微斗数の命盤のほとんどは家族関係(夫婦、親、子ども、兄弟、祖父母など)を見る宮ですから、そこから自化が1本も出ていない人、または生年四化が入っていない人は皆無です。つまりは大なり小なり誰でも家族関係に課題を残して生まれてきているということなのです。

夫婦関係に関して言うと、まず夫妻宮を見ます。さらに財帛宮や遷移宮で見てもよいですし、田宅宮や福徳宮、疾厄宮を使うこともあります。また男星と女星の位置によっても、夫婦関係の傾向が決まってきますし、來因宮も重要です。もっと言うと、人の感情や人間関係も一生安定したままということはありませんから、時期によっても当然関係性や感情が変わってくるということは十分にあり得ます。つまり個人の命盤によって全く違うため、他人の夫婦関係と同じになることはありえないですし、また数十年の夫婦生活、価値観の齟齬が全くでないということは、人間の構造上あり得ません。

よく配偶者との相性を見て下さいと聞かれることがあります。相性が良ければ、安定した夫婦関係を築くことができるということなのでしょうけれども、相性が良くても離婚や死別されるケースもありますし、財産関係のことで問題が起こってきて離婚するケースもあります。逆に相性はよくないが、縁が続いてしまうというケースもあります。
紫微斗数ではこれを「縁続」といい、良くも悪くも縁が続くことを言います。

 

夫婦関係を継続するうえで、相性はあまり関係ないということは鑑定や、特に講座を受けて下さるとよく分かります。それよりも自身の傾向や「定め」、そしてその定めをどのように通っていくかを知ることが、良好な人間関係を気づく上で必要なように私は感じています。

それでは現代においてなぜ結婚生活が必要なのか。
これについて、次回私見を書いていきたいと思います。