授かりし命をつなぐ道

紫微斗数鑑定をしながら、ヲシテ文献や大自然の法則について研究しています

和歌について

和歌の話⑦ ~平家物語 6~

和歌の師匠である藤原俊成と、弟子の平忠度の別れの場面の次を再掲します。其後世静まって、『千載集』を撰ぜられけるに、忠度のありし有様、言ひおきし言の葉、今さら思ひ出でて哀れなりければ、彼巻物のうちに、さりぬべき歌いくらもありけれども、勅勘の…

和歌の話⑥ ~「平家物語」5~

薩摩守忠度は、いづくよりや帰られたりけん、侍五騎、 童一人、わが身共に七騎取って返し、五条三位俊成卿の宿所におはして見給へば、門戸を閉ぢて開かず。「忠度」 と名のり給へば、「落人帰りきたり」とて、その内さわぎあへり。薩摩守、馬よりおり、みづ…

和歌の話⑤ ~「平家物語」4~

もう一つ、平家物語の中から和歌に纏わる話を書きます。おそらく多くの方が、古典の授業は①睡眠時間だった②本文と黒板はノートに写していたが、一体何が何だかわからない③理解はできないが、とりあえずは授業を聞いていたという場合が多いと思います。このよ…

和歌の話④ ~「平家物語」3~

前回の続きです。①平家一門の敗北ももう決まっているのだから、無駄な殺生をこれ以上すると罪を作ることになるからやめるようにと新中納言が能登殿を諫める場面。②そんな名前のない者ばかりを斬って、無駄な罪を作るな。義経(敵のトップ)を討ち取れ!と新…

和歌の話③ ~「平家物語」2~

前回の続きです。平家一門の敗北が決まって、最期の時を悟った能登殿が次々と源氏の侍を殺していく場面です。新中納言(清盛の息子で知盛)が使者を使って能登殿(清盛の弟の子どもで教経)に「能登殿、いたう罪な作り給ひそ。さりとてよき敵か。」と声をか…

和歌の話② ~「平家物語」1~

前回の和歌の話についてのブログは、古今伝授の里についてでした。引き続き紫微斗数の話と絡めつつ、文学や和歌の話を少し書きます。人間は生まれてから高校生ぐらいの時までに読んだ文章や聴いた音楽、または大人が発する一言一言が、以降の人生に大きな影…

和歌の話① ~古今伝授の里やまと~

師が『古今和歌集』の解釈や読み方を弟子に秘伝することを「古今伝授」と言います。岐阜県郡上市大和町は、まだ日本の原風景が残っている山里で、1221年の承久の乱の後、東氏(とうし)がこの土地を長く治めていました。東氏は初代胤行(たねゆき)を初め、…