授かりし命をつなぐ道

紫微斗数鑑定をしながら、ヲシテ文献や大自然の法則について研究しています

紫微斗数とは何か⑦「福徳宮」について その3

 前回のブログの続きです。行き過ぎたところは削がれ、足らないところは補いながらちょうど良い状態になるのが自然の法則であると前回書きました。

物質的成長に関しては私たちはもう充分し尽して飽和状態であるので、行き過ぎた部分は衰退していく。その代わりに置き去りにされてきた精神面において補う作用が出てくる。

以上が今後の流れです。精神面と言ってもお金や物みたいに見えるものではないため、一体どういう形で表れてくるのかが分かりにくく、高度な次元の話ですから理解するのが簡単ではありません。ではどうすればよいか。私は「福徳宮」の状態が元々良い人の考え方に見習うと良いと考えています。

「福徳宮」の状態が元々良い人の特徴は、どういう状況であれ「今の状態をありがたいと思う」「今置かれている状況に感謝して過ごす」ことが得意なのです。ポジティブシンキングと言ってしまうと少しニュアンスが違うような気がするのですが、敢えて言い替えるのであれば老子の唱えた「足るを知る」という表現が一番合っている感じがします。良いことも悪いことも、それが今の自分にとってちょうど良く、必要なことだから起こっているのだとネガポジ含めて「そのまま」を受け入れる感じでしょうか。

要は、足らないところに目を向けて環境や状況をコロコロ変えたり、相手を変えようとしたり、また問題に蓋をして明るくふるまうことではこれからの時代、生きていくことが難しいのです。物質的な豊さを追って過ごしていける世の中であれば以上のような生き方でもいいのですが、もうそのような時代は終わっているからです。

どんなに状況にあっても今、自分が置かれている状況がちょうど良いことなんだと捉え、自分にできることを地道に取り組んでいける人が生き残る世の中になると思います。「福徳宮」の状態が良い人は元々そのような思い方をすることが得意なため、学ぶべきところが大いにあると私は感じるのです。

精神面の充足というのは、決して財やお金で満足することではありません。
お金や物があれば心が落ち着くというのであれば、それは精神面の充足ではなく、物質面の充足なのです。これからの日本は、この精神面と向き合うことになっていきますから、一人一人の中に大きなパラダイムシフトが必要だということを書いて「福徳宮」のシリーズを終わりにしたいと思います。