授かりし命をつなぐ道

紫微斗数鑑定をしながら、ヲシテ文献や大自然の法則について研究しています

「自分」とは何か① ~ 旅に出た若者たち ~

一昔前に「自分探し」という言葉が若者の間で流行しました。本当の自分を探しにどこに行くかというと、外国に旅に出たり、新しい資格を取ったり、仕事を変えたりととにかく、色々トライする。かくいう私も、そういう年代ですから同じ道を通りました。しかし、いくら自分を探しに行っても見つからない人の方が圧倒的に多いのです。

そうこうしている内に適齢期を迎えたから結婚して、子どもを授かり、ローンを組んで家を建て、ごくごく普通の生活をしている人がほとんどではないでしょうか。もちろん、これらの経験が悪いとは言いませんし、若いうちに思う存分トライすることは、今後歩く人生の糧になるためできる人は大いにすればよいと私は考えています。特に、何か勉強する(大学入試でも良いし、語学や資格取得でも良い)経験は、若いうちにしておくことが良いと個人的には思います。若い時期に、系統立った勉強をしたことがあれば、勉強するうえでのプロセスが身体に染みついていますから、また何か新しいことにトライしようと思った時にその経験が生きます。幼少期から本を読むことが習慣になっている人は、生涯それが続くこととよく似ていると思います。ある程度の素養や学ぶ習慣というのは、突然身につくものではないため、できるだけ早いうちからしておくことが良いですし、何よりも学ぶことは自分の人生の豊かにつながると私は感じています。

 

話を戻しますが、これまでのブログでも書きましたように、人間は性格一つ取っても複雑にできています。本当の自分と言っても、今日の自分と明日の自分を比べても感情は揺れ、楽しいと思っていたことが辛くなったり、また逆も然りで一定ではありません。またほとんどの人は、自分探し=やりたいことを探しだと理解している人が多いため、大体は仕事に見出そうとするのですが、どんな仕事も楽しいばかりではありませんから、一時は楽しいと感じていても、予想していたものとは違うため、転職を繰り返すということは良くある話です。ですから、仕事を辞めたり、職を変わることは根性がない、何事も続けるべきだという価値観はかえって不自然だということです。

但し、特別な役目がある人は別です。どうしてもその仕事が辞められない人も世の中にはいます。例えば代々続いている家業を継いでいる人や、何か特別な才能があってそれを世の中のために使っている人は自身の好き嫌い関係なくさせられている仕事であり、またそれ以外の仕事はできないというケースが多いです。天からご覧になった時に、その人にしてもらわないといけない事情があるからです。つまりそれを「天職」と言います。

紫微斗数の命盤をみれば、転職する人の特徴は大体分かります。あと、仕事の能力や、仕事に対する取り組み方なども出ていますし、逆に仕事に関しては特にこだわりがないという命盤もあります。要は、食べていけたら良いと考える人です。また転職を繰り返すたびに状況が良くなっていく人もいれば(キャリアアップ)、転職を繰り返すたびに状況が悪くなるという人もいます。大体、官禄宮、財帛宮、父母宮を見れば分かります。これらの傾向を「定め」として私達は持っていますから、一様に自分探し=仕事に結びつけて行動しても人と同じようにはいかないわけです。
続きます。